2015.02.18

【トレンドウォッチ】注目される「LINE」を通じたコミュニケーション

アドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をする『DAC AD TECH BLOG(アドテクブログ)』。今回は、スマートフォンを中心としたメディアの、メニュー開発や仕入れを担当しているチームに所属の佐瀬さんに、プラットフォームや広告出稿先として注目が高まっている「LINE」についてのお話をうかがいました。
 
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急激なアクセス環境の変化、スマートデバイスへのシフト
 
―まず市場環境から整理できればと思いますが、現在のスマートフォンにおけるユーザー状況について教えてください。
  はい。スマートフォンの所有者は、年々増加しています。携帯電話・スマートフォン所有者に比率を見てみると2011年はわずか18.9%だったスマートフォンの所有者が2013年にはほぼ同数となり、2014年には54.0%となっています※1。またニールセンが発表しているPC・スマートフォンのインターネットサービスベル利用者を見ると、PCは5,200万人が利用していますが昨対比でみると8%の減少となっている一方で、スマートフォンは34%増加の4200万人となっています。
 
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※1:VRIリリース資料
※2:ニールセンリリース資料:日本のインターネットサービス利用者ランキング

 
―スマートフォンの伸び幅がとても大きいですね
 はい。データを見ていただくことでいかにスマートフォンへのシフトが起きているか、というのがよくわかるかと思います。またスマートフォンの場合は、Webブラウザでのインターネット接続よりもアプリ経由での接続の方が、接続時間が長いというデータもあります。1日の平均利用時間は1時間48分で、年代により差はありますが、平均するとそのうち72%をアプリの利用時間が占めています。※3
 
事業者の動きとしては、アプリを通じてユーザーとコミュニケーションを図ろうと考えています。自社でアプリの開発を行い、利用者数増加に力を入れているのも1つの例です。広告としても、アプリインストールを目的とした案件も増えています。
また、すでに広く普及しているアプリの上で施策を行うことにも注目が集まっています。特に数あるアプリの中で最も多いユーザー数を抱え生活のインフラと化している「LINE」を通じたコミュニケーションが、人気が高まっていますね。

※3:ニールセン発表 スマートフォンアプリ利用状況
 
―読者の中にはすでに知っている方も多いかと思いますが、改めて「LINE」の特性について教えてください
はい。「LINE」のことをよく知らないと仮定してお話させていただきますが、「LINE」は世界中にユーザーを持つ無料で通話やメールが可能なアプリです。国内利用者数は、ニールセンのデータによりますと、スマートフォンでインターネットを利用しているユーザーのうち、75%が利用している形になります※2。年代、地域ともに幅広いユーザーに利用されており、毎日利用しているユーザーも非常に多いことが特徴です。主なSNSや通話・メールアプリの利用率と比較しても、LINEが圧倒的に数値が高いことがわかります。
 
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※4:2014年 SNS利用動向に関する調査
 
「LINE」上で企業が展開可能な施策はいくつかあるのですが、「公式アカウント」と「LINEスタンプ」が人気の商品になります。公式アカウントは3ヶ月の利用が標準的なプランで、4ヶ月目以降も継続して利用される企業が多いですね。LINEスタンプは、目的によって提供方法を選ぶことができます。公式アカウントと友だちになるとスタンプがダウンロードできる、という方法で実施される企業も多い状況です。
2014年は「ネイティブアド※4」というワードが広告のトレンドにあったかと思いますが、このスタンプを中心とした「LINE」の広告はネイティブアドの代表的なものになります。

※4:ネイティブアドの種類については、過去エントリー冒頭で解説(リンク)。

 
 
多くのユーザーに届き、使ってもらえる「LINE」の広告
 
―利用者が多いということ以上に「LINE」が注目されている印象がありますが、それはなぜなのでしょうか。
そうですね、「LINE」が注目されている理由としては2つあると考えておりまして、1つ目は“リーチ”対象、の観点です。さきほどもお話した通り、日本ではスマートフォンでインターネットを利用するユーザーの75%の方が利用しているというデータが出ており、その中でもアクティブに利用しているユーザーの比率が高いことが特筆すべき点かと思います。
モバイル業界ではMAU(Monthly Active user)が標準的な指標として用いられることが多いですが、メッセージ系のアプリは全体としてMAUが高い傾向があり、またDAU(Daily Active user)の数値に関しても高くなっています。マス媒体と同等にリーチがあるといっても過言ではない規模です。また、若年層における利用率が特に高く※5、若年層に対する効率的なアプローチとして注目されている、ということがあります。

 
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※5:I&S BBDO 全国消費者価値調査「SNS利用率の実態と意識」
 
2つ目は、「LINE」では“使ってもらえる広告“として、広告が自然な形でユーザー同士のコミュニケーションの中に溶け込んでいる、ということです。たとえば、楽天さんのLINEスタンプではパンダが来ているTシャツの胸に楽天の「Rマーク」がついていますが、嫌な感じはしないですよね?P&Gさんが提供されていた松岡修造の「あきらめるな」スタンプが送られてきても、応援されているな、励まされているな、としか思いません。また、友人から送られてくるスタンプは、企業発のものであっても無視されにくい。企業にとっては、「無視されない広告」として、自社のブランドやイメージ、商品を伝える広告の役割を果たしていることになります。
1つスタンプ配信するための金額は決して安いものではありませんが、スタンプの提供により獲得できる友だちの数などを考慮すると、出稿する価値を感じていただいています。

※6:楽天 お買いものパンダP&G 熱狂富士男(提供期間終了)
 
―実際、友だち登録をしてくれたユーザーに対してはどのようなコミュニケーションが取れるのでしょうか。
自社のLINE公式アカウントの友だちになってくれたユーザーには、主に2つの機能を利用可能です。1つ目はタイムライン機能で、コメントや“いいね”を通じてユーザーとコミュニケーションをとることができます。2つはメッセージ機能で、たとえば来店した際に利用できるクーポンなど、友だち全員に一斉配信が可能です。メッセージが届くとユーザーに通知されるため、開封率が高いことが特徴です。メッセージ内容としても単純なテキストだけでなく、リンク付きのバナーを配信したり、専用ページに遷移させたりすることもできます。また特定の言葉をユーザーに返してもらうことで、あらかじめ設定された情報をユーザーに送信することも可能です。
 
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―ユーザーから特定のキーワードを送信することで、メッセージとして情報を戻してくれるのは便利ですね。欲を言えば、もっと自分にあった情報を届けてもらうことはできないのでしょうか。
そのニーズも高まっています。LINEの公式アカウントの基本機能だけでは難しいのですが、公式アカウント運営企業で所持している情報と連携させることによって、個別でのメッセージ送信が可能になります。その機能が「LINE ビジネスコネクト」というサービスになります。
具体例でいうと、リクルートジョブスさんや三井不動産レジデンシャルさん等があります。活用方法はたくさんあるのですが、基本的にはユーザーに対して何らかのメッセージを送りかえしてもらうことを要求し、ユーザーからの返答内容に応じて、情報を戻す、という形になります。リクルートジョブスさんでいうと、ユーザーがパン田一郎のスタンプを送ることで天気予報を教えてくれたり、求人検索や給与計算などを行ってくれたりします。三井不動産レジデンシャルさんの場合は、「パークタワー晴海」の物件情報詳細や晴海の街情報を教えてくれます。

 
まだサービスとしては提供を開始したばかりですので、今後、導入事例も増えてくると思います。弊社としてもご相談を受けている広告会社・広告主は複数おりますので、「LINE」を通じて広告主のビジネスの発展に寄与できればと考えています。
リクルートジョブス パン田一郎三井不動産レジデンシャル 晴海パークタワー
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佐瀬さん、ありがとうございました。
次回は、注目される動画広告市場についてのインタビューをお届けします。

 
今回ご紹介した内容にご興味を持っていただいた方は、以下よりお問い合わせください。
 
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