2016.06.02

若年層に圧倒的なリーチを誇るスマホ動画プラットフォームを提供!ファイブ株式会社 菅野 圭介 氏インタビュー

アドテクを中心として広告業界のトレンドを発信する「DAC AD TECH BLOG」。今回は≪2016年春媒体説明会特集≫です!第1弾は、当日も登壇いただきました、アプリ向け動画広告を提供されているFIVE株式会社の代表、菅野 圭介様に創業の背景やどのようなプロダクトを提供されているのか、についてお話を伺いました。
 
FIVE Main
左:DAC動画担当 中本、右:菅野氏
 
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―はじめに、「FIVE」について教えてください。
 
菅野:一言で申しますと、「モバイルアプリ向けに特化して、動画広告を配信する」というサービスを展開しています。例えばFacebookを見ていて、最近ですと動画コンテンツや動画広告が『自動再生される』ということはかなり一般的になってきていると思います。Twitterでも同様のフォーマットを追加していますが、我々は比較的早いタイミングでさまざまなメディア様向けに開発し導入を進めていただいています。
 
世の中にはFacebook、Twitterのようなメガアプリがありますが、他にもアプリケーションってたくさんある訳ですよね。そういったアプリメディアに対して、オートプレイー自動再生で、“動画がキレイにストレスなく再生できる技術”というのを提供しています。広告主さんに対しては、そういった配信先に動画広告を配信できるというビジネスをメインにやっている形です。
 
 
―商品開発の際に気をつけていることはありますか?
 
菅野:アプリ利用ユーザーというのは、そもそもそのメディア(アプリ)を純粋想起して、そのうえで選んでアプリを立ち上げています。例えると、関心がはっきりしたケーブルテレビのチャンネルを立ち上げるのと近い感覚だと思うのです。そうしたモチベーションがはっきりした瞬間を広告主・ブランドへ提供しています。また、ユーザーのコンテンツ閲覧アプリ内の体験を阻害しないように注意してサービス開発を行っています。あわせて、動画広告はテキストやバナーとは違い、ユーザーの可処分時間を独占するある意味で負荷が高いものだと考えていますので、よりユーザビリティへの配慮というのは重要だと考えています。
 
 
―ユーザー体験を阻害しないよう注意を払っているということですが、ブランド体験もしっかりと提供する必要があるかと思います。その点はどのような工夫をされているのでしょうか?
 
菅野:ブランド体験の観点で申し上げると、ファーストビューのプレミアムなポジションに枠を設けています。そのうえでUI(対ユーザー目線)においては操作が楽で、動画を閲覧したくないユーザーは指先で簡単にスキップできるようにしています。また、動画はパケットを大きく消費してしまうというイメージがあるかと思いますが、FIVEで配信している動画広告は、128bps環境下でもまったく同じ動作を再現できるようにしています。独自開発の技術で、ローディング時間を極小化しデータ通信量を抑制する仕組みを技術的にやっています。
 
FIVE_1
 
 

Google社での「動画広告」への2つのチャレンジを経て創業へ

 
―どのような経緯で「FIVE」を創業されたのでしょうか。
 
菅野:FIVEは2014年に会社を創業しました。私自身のバックグラウンドとしてまずGoogle社に新卒入社していまして、動画広告には実は、Google内でチャレンジを2度していました。
 
まず1つ目が、Googleが買収したスマートフォン向けアドネットワーク「Admob」です。当時、Admobはバナー広告がメインだったのですが、そこでもやっぱり動画の表現力が高いだろうということでチャレンジしていまして。それこそ、当時博報堂さんに“スマートデバイスビジネスセンター”というとプロジェクトチームがあったんですが、DACさんとも一緒に動きながら、例えば、ランディングページをHTML5で作って導線上でユーザーにゲームをして貰ったり、GPS機能を使ってO2Oっぽいことをしてみたりですとか、あるいは動画を配信してみたり、といった実験的な取り組みをしていたんですね。企業さんでいうと、5-6ブランドで取り組みを実施しまして、かなり面白い取り組みを行うことができました。ただ、リッチコンテンツ、あるいは動画広告が一般化するにはちょっと早かった。
 
 
―早かった、というのはどのような理由があったと考えられていたのですか。
 
菅野:今振り返るとなんですが、まずスマートフォンの普及率が当時まだ2,000万台ほどだったんですね。リーチがそもそも足りなかった。 もう1つは通信環境ですね。現在のように整っておらず、まだ4GLTEではなく3Gの時代でして。動画がサクサクとは読み込まれづらいというのがあって、ちょっと時期尚早というのがありました。
 
ただ、日本の広告市場、特にスマートデバイス市場はメディアの収益性が低いという指摘がずっとあり、アメリカと比べると一説は1/10程とか、1/5という状況であると言われていまして。それはメディア環境を考えた際には、動画のようなフォーマットで“より高い価値を与えて変えればいかなければいけない”という問題意識を抱えていました。
 
 
―そういった思いを抱えられて、次はどこで挑戦をされていたのでしょう?
 
菅野:次はYouTube広告製品を含むプロダクトマーケティングを担当していました。当時スキッパブルの動画広告が出始めた頃ですね。現在は主流になっているインストリーム広告市場で、動画広告が動画コンテンツの前に出る、という広告メニューです。一方で、動画コンテンツがオンライン上に増えないと、広告主・代理店から見るとリーチ出来る数が限られてしまうという問題点がありました。
 
 
―AdmobとYoutube、2つのサービス経験を経て、FIVEへと繋がっている訳ですが、ここでアプリに特化しているのはどんな理由からでしょうか。
 
菅野:モバイルビデオで特にアプリに特化しているのは、単純にスマートフォンユーザーが利用時間のうち80%はアプリを使っているからです。あまりブラウザは使っていない。当然(世の中にある)アプリの数自体は多いんですが、 その中で特色のあるクオリティーの高いアプリメディアの中で(広告を)提携することによって、 広告主に対して規模の部分においても、クオリティーの部分でも、表現手段としてのフォーマットの部分でも新しい価値が提供できると考えた形です。
 
特にやはり、みなさんもユーザーとして使っていてそうだと思うんですが、モバイルでの接触としてのタイミングですとか、あるいは1回あたりのアクセス、使用時間とか、デスクトップインターネットとはまったく様子が違うと思っているんですね。なので、モバイルネイティブに、モバイルユーザー向けにゼロから考えたソリューション、テクノロジーというのが必要だろう、というのが根本にはあります。
 
SONY DSC
 
よくお話をさせていただいているんですが、インターネットが出てくる前は、映像体験で言うと我々30分のテレビ番組、1時間のテレビ番組というのが世の中に流通する映像コンテンツのほとんどを占めていたと思うんですね。それがデスクトップインターネットの時代には、YouTubeが出てきて数分間のビデオクリップが当たり前になってきた。
 
そして今のモバイルインターネットの時代では、vineでは6秒なんですよね。snapchatですと一瞬で消えちゃうし。そのような環境の中でモバイルビデオのフォーマットやコンテンツ、配信技術というのは、また違ったあり方というのがあるはずで、モバイル向けにゼロから発想するということが重要なのかな、と思っています。
 
 
―自分で会社を立ち上げられるというと色々なリスクもあるかと思います。当時の心境ってどうだったのでしょうか。どういった決意で起業に踏み切られたのですか?
 
菅野:そうですね笑。学生の時にDeNA 南波さんの講演を聞いたことがあるんですよ。その時にいっていた言葉が結構僕の中で残っていて。何かっていうと 「どうせ生まれてから死ぬまで人間あっというまじゃないか。どうせ死ぬなら世の中に引っかき傷を残して死にたいよね」 というお話で。当時が純粋な学生だった私は「確かに!」と、どうせ死ぬなら引っかき傷をきちんと残して行きたいなという気持ちをすごく持ちました。
 
とはいえ当時(学生の時)はビジネスアイデアも無ければスキルもないので、そのまま起業しようという話にはならなくて、Googleには2008年に入社しました。2008年当時はGoogleが新卒募集を始めたばかりで、1期目に入れるタイミングだったんです。当時まだ日本でも(Googleは)いまほどプレゼンスがない時期で、 テクノロジーでこれから引っかき傷どころかクレーター級のインパクトを残していく会社だとは思って、その中のメンバーとしてであれば自分もなにかしら傷を残せるのではないか、と思って入社しました。
 
ただ、元々そういった引っかき傷残したいなぁみたいな考えがありまして。自分の経験を踏まえて、自分でインパクトを残したい、という気持ちがあり、20代のうちに環境を変えてチャレンジしたい、という思いを持っていました。
 
それでいろいろな経緯がありまして、いまこのFIVEの創業につながっているんですが、すごく優秀なエンジニアチームとも一緒にスタートできまして。そういう意味でいくと、わたし一人でというよりは、チームで実際に喧々諤々やりながらビジネス面もそうですし、テクノロジー面もそうですし、またクリエイティブのチームもあるんですけれどそれぞれ知恵を持ち寄ってやっていんですよね。なので、リスクとか怖さって言うよりも、今はチームで一緒にスピード持って事業を伸ばしていこうという気持ちが強いかな、と思いますね。
 
 
―同じサービス事業者側という観点でも、前職のGoogleと今もスタートアップの環境ではかなり状況が違いますよね。
 
菅野:そうですね。(スタートアップで)プロダクトを自分たちで作って提供しているっていうのは、やはり感覚としては全く違いますね。それこそDACさんといろんなご相談をしながら、実際に需要があるか?というのを確かめながら製品開発をする、しかもそれがかなりのスピード感をもってやるというのが、やっぱりスタートアップとしてやっていかないといけない部分だと思っています。またFacebookさんだったりとか、Googleさんみたいな、グローバルプラットフォームとはまた違った価値を出さなくてはいけないので、そこを磨いていくという考え方は持ってやっていますね。
 
 

若年層に圧倒的なリーチを誇るスマホ動画プラットフォーム

 
―それでは具体的に御社で提供されているプロダクトについて教えてください。
 
菅野:プロダクトのラインナップは2つあります。1つめが「*Moments by FIVE」というもので、もう1つは「FIVE VIDEO NETWORK」というものです。動画マーケティングにおけるマーケティングゴールにあわせて、提供するサービスを変えています。
 
「FIVE VIDEO NETWORK」はこれまでのバナー広告を代替するようなイメージですね。どちらかというとアプリのプモーションやパフォーマンス型のキャンペーン、例えばインストールやオンライン上でのアクションを軸にしたキャンペーンでご利用いただいているイメージになります。「*Moments by FIVE」についてはDACさんともガッツリご一緒させていただいていますが、ブランド向けのマーケットプレイスになり、プレミアムな動画広告のマーケットプレイスを展開しているというサービスになります。
 
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Teen Moments by FIVE 参画アプリ
 
 
―では一緒に取り組みをさせていただいている「*Moments」についてもう少し詳しく伺いたいと思います。ブランド向けのアプリマーケットプレイス、ということですがどういったプロダクトになるのでしょうか?
 
菅野:「Moments」は現在2つ、「Teen Moments by FIVE(以下Teen)」と「Girls Moments by FIVE(以下Girls)」を提供しています。Teenは、10代の含有率が高いアプリのマーケットプレイスになっていまして、媒体間重複を除くと400万UU あります。日本の中高生人口が831万人という統計数値から考えると約半数にリーチが出来る、という計算になります。Girlsはその名の通り、F1、F2層の女性ユーザー含有率が多いアプリのマーケットプレイスになっています。
 
 
―中高生の2人に1人と考えるとかなりのカバー率ですね! 具体的にはどのようなアプリがネットワークに加わっているのでしょうか?
 
菅野:Teenの場合は、カップル向けのアプリ「couples」や画像シェアが出来るアプリ「プリキャン」、YouTubeに次いで大きなモバイル動画プラットフォームとなっている「mix channel」などが入っています。「mix channel」は女子高生の2人に1人が利用しているというメガアプリです。あとは「nana」という録音音源を共有できるアプリで、音楽好きの中高生が多く集まっています。Girlsは女性のライフスタイルメディア が中心となっています。いずれにせよ、色々な切り口で熱量の高いコミュニティーを作っているアプリに参画頂いている形です。
 
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Girls Moments by FIVE 参画アプリ
 
 
―参画アプリの選定基準というのはあるのでしょうか。
 
菅野:そうですね。まず一定の規模があるメガアプリに参画頂いています。それから、ブランドから見た際のブランドセーフティ。また、掲載位置に関しても重要視しています。
 
 
-出稿される企業は「*Moments」にどのようなことを期待しているのでしょうか?
 
菅野:やはりベースとして多いのは、TVCMの補完・代替とターゲットリーチの拡大という観点です。Teen MomentsではTVを見ないといわれている中高生の半数に対してリーチが可能ですので、リーチ効率がよいと評価頂いています。また、オプションとして態度変容(ブランドリフト)を測ることが可能な機能も提供しています。ランダムに広告接触ユーザーに対してアンケート実施し、広告効果を測るような形です。
 
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―出稿をされる企業はどのようなところがあるのでしょうか?
 
菅野:過去の出稿状況で言いますと、全体で120 以上のキャンペーンを実施いただいています。 業種でいうと、飲料、食品、これは特に10代をターゲットにした菓子類などが多いですね。あとは、美容コスメ、ハイブランド 、Teenがメインだと教育系や「学割訴求」の通信などもあります。また、映画・テレビの番宣・出版などいわゆるエンタメ系については、動画という媒体の特性上、相性がとてもよいですね。
 
 
―色々と出稿企業が増えられている中で、こういったところが相性がよい、ですとかこういったやり方をすると効果がよいといったものも見えてきていたりはしますか?
 
菅野:そうですね。フリークエンシーでいうと2回をベストプラクティスとしていまして、広告認知まではかなりの確率で上がることが分かっています。最適なフリクエンシーについては参画いただいているアプリ運営企業さんと一緒にアプリのリテンションへの影響なども見ています。さきほども申し上げた通り、動画広告はユーザーの時間を奪ってしまうものなので、ユーザーにとって“価値がある”“と思って貰えるものを、広告としても届けていきたいと考えています。
 
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興味深い事例があるのですが、広告ってそのまま見てキャプチャを取ったりとかは普通しないですよね。ところが、あるタレントさんを起用した動画広告をTeen Momentsで配信したんですが、広告をみたユーザーがキャプチャに撮って、「○○君が出てる動画だー!」といった形でTwitterにUPしてシェアしていまして。
 
 
―広告がキャプチャを取られてシェアをされたのですか。面白いですね。
 
菅野:はい。ユーザーに自分にとって価値がある、と思って貰えた一例かなと思います。動画広告の内容によっても視聴完了率にかなり開きが出てくるので、精度を上げて、表現をチューニングしていく必要があります。
 

―数値がよい案件と悪い案件では、どのくらいの数値差があるのですか?

 
菅野:良いものでは視聴完了率が40%ほどの数値になります。悪いと10%程度とかなり差が出てくる形です。やはりモバイルへの配信に最適化されたクリエイティブの方が反応率がよいという状況もありますので、事例を積み重ねていきたいなと考えています。そして、定量的に結果を示していき、動画広告マーケット全体的の底上げにつなげていきたいですね。
 
 
―今後DACとの取り組みに期待している点について、ぜひお知らせください。
 
菅野:DACさんとはすでにお話をいろいろとさせていただいていますが、テクノロジー開発の観点で、取り組みを連携させていただき、今後本格化するPMP・プログラマティックの対応や、データ連携の部分でのパートナーシップを強化していきたいと考えています。

 
クライアント側は配信先やフォーマットが多様化するなかで、シングルソースで評価していきたいという需要は明確になってきていると感じていますので、(アプリ以外も含めた)キャンペーン全体の中でどうだったのかというところに対して可視化していくようにできればと思っています。
 
面白いアプリ、面白いメディアってまだまだ知られていないものがたくさんありますし、これからも出てくるかと思いますので、知られるような努力をして動画広告市場を一緒に伸ばしていければと思います。
 
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菅野様、ありがとうございました。今回ご紹介した記事に興味を持っていただいた方は、弊社の担当営業もしくは以下よりお問い合わせください。
 
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