2016.10.20

2016年ディスプレイ広告のキーワードは「スマホ」、「データ」、「動画」/DAC メディアサービス本部長 岡部

今回は「Exchange Wire」にて掲載いただきました、Exchange Wire Japan野下氏による 弊社 執行役員 メディアサービス本部長 岡部へのインタビューをお届け致します。広告会社・媒体社それぞれとの向き合いを行うセクションの責任者である岡部より、進歩目まぐるしいディスプレイ広告市場について、業界の変化や最新動向についてお話させていただきました。
 
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キーワードは「スマートフォン」、「データ」、「動画」
 
 ― 直近の広告主や媒体社のディスプレイ広告に対するニーズについて、お聞かせください。広告主や媒体社は、それぞれどのようなことに関心を高めていますか?
 
岡部: まず、広告主側のディスプレイ広告へのニーズについては、最近ですとデバイスという観点があります。特に、「スマートフォンでどのようにユーザーとの接点を持つか」が重要で、ニーズとしても高まってきています。その中で注目度が高いのは『動画広告』です。ブランディング目的で主に利用されるディスプレイ広告において一番効果があるのは、何といっても動画ですので、動画広告の活用方法への関心も高まっています。
 
また、デジタルメディアに対する予算配分の比率も高まりつつあります。これはグローバルの広告主が中心の動きですが、日本の広告主でも(デジタルメディアに対する予算配分が)増えてきています。広告予算の最適配分を行う際に、メディア総接触時間が増えているデジタルメディアに予算をシフトしていこうとしているからだと考えられます。
 
媒体社側の観点では、「いかに1インプレッションを高く販売できるか」という点がありますが、一般的に単価が高いディスプレイ広告の中でもインプレッション単価をより高く販売できるのは『動画広告』になります。そのため、当然、媒体社の視点からも動画広告に対する関心は高まっています。
 
最近では、PMPも浸透し始めていますね。従来のDSP・SSPを利用したオープンオークションでの売買は、広告主側では「どこに広告が出ているのか」という配信面での課題が、媒体社側は「インプレッション単価が安くなってしまう」という課題がありました。その中でPMPという手法では、広告主側の課題である配信先をクリアにすることができ、媒体社側では、少しでもインプレッション単価を高く販売できるというメリットがあるため、ニーズも増えてきています。さらにPMPでは、広告主が自社データの活用やデータの掛け合わせを行った形での広告配信もできるため、より利用が広がっています。ですので、2016年のディスプレイ広告市場におけるキーワードは、「スマートフォン」、「データ」、「動画」と捉えています。
 
 
― 媒体社側が(自社の)データを活用される、収益に結び付けるところで、データだけを切り出して流通させるような取り組みは始まっているのでしょうか。
 
岡部: そうですね。媒体社によっては、パブリッシャートレーディングデスクという形で、自社データを使って自社メディアだけでなく、外部のDSPを活用し自社以外の広告枠にデータを掛け合わせて販売しているところも出始めています。
 
 
コンサル領域のプレイヤーがデジタル領域に参入
  
― 昨年から今年にかけて、ディスプレイ広告市場におけるカオスマップでの主な変化をお聞かせください。
 
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岡部: 主な変化としては、アドエイジ誌のランキングでコンサルティング企業がランクインしているように※1、日本においてもコンサルティング企業がデジタル領域に参入し始めている点が挙げられます。また、株式会社博報堂DYデジタル、株式会社電通デジタルなど、デジタル領域の新会社が出てきています。
 
背景として、メディア総接触時間におけるPC・タブレット・スマートフォンといったデジタルデバイスの利用時間がどんどん伸びる中、これらのユーザーに対しどうマーケティングしていくかという時に、デジタルが必要不可欠なものになっています。株式会社デジタルインテリジェンスの横山隆治社長が仰っていた「マーケティングがデジタル化しつつある」という言葉がとても印象的でしたが、実際そのようになってきているのかもしれません。
 
そのため、マーケティングがデジタル化したときにはさまざまな情報、データが可視化され、それをもとにPDCAを回していくことが基本となります。広告会社だけではなくコンサルティング企業もそのような提案が必要になり、デジタル領域に参入せざるを得なくなってきていると言えるでしょう。
※1:アドエイジ「エージェンシー・リポート 2016」
 
 
― 動画の関心については、デバイスでいうとスマートフォンに振り切っているとも言えるのでしょうか。
  
岡部: スマートフォンは画面占有率・注視度が高いという理由もありますが、それ以上に動画というフォーマットは圧倒的に情報伝達量が多いので、その広告効果が高いと認識されているということだと思います。
 
その中でも、インストリーム広告はYouTubeのTrueViewを中心に伸び続けていますが、当社の動画広告売上が一番伸びた要因はアウトストリーム広告、インフィード、インバナーなどのフォーマットです。これらが動画市場全体を伸ばすきっかけにもなっています。
 
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― アウトストリーム広告が動画市場全体を伸ばしていくような傾向はまだまだ続きそうでしょうか。
 
岡部: 日本のインストリーム広告の大半を占めるYouTubeがけん引し、そこにTVerなど新しいサービスの参入や、パフォームグループによるJリーグの放映権の獲得などにより、インストリーム広告も今後さらに伸びていく可能性はあるでしょう。ただそれ以上に、アウトストリーム広告の方が圧倒的に配信できる面が多いため、アウトストリーム広告に大きな可能性を感じています。
 
 
― 視聴態度の観点で効果を考えた時に、違いはあるのでしょうか。
 
岡部: 同じ動画素材での認知度ですと、インストリーム広告の方が圧倒的に高いと言われています。ただ、アウトストリーム広告を含めてうまく相乗効果で伸ばすことができると思います。(インストリーム型広告の)YouTubeと、(アウトストリーム型の)FacebookやTwitterでは視聴態度が違うので、リーチをとりつつ認知度を高めたいのであればアウトストリーム広告を含めた方がよいのではないでしょうか。
 
 
新たなマーケティングのデジタル化が進んでいる
 
― 昨年と比べて、広告配信におけるデータ活用の進展についてお聞かせください。
 
岡部:データを活用したメディアバイイングがどの程度か当社でも測っていますが、昨年よりも増えていますね。Facebook、Twitterでは、彼らが独自に持っているデータを使ってターゲティングしており、基本的にはノンターゲティングで配信する方が少ないので、データを使った配信をしているとも言えます。
 
また、当社のDMP「AudienceOne®」×DSP「MarketOne®」でのデータを活用したバイイングが増えていますし、Yahoo!DMPとの連携や、ADARA, Inc.、技研商事インターナショナル株式会社との提携によるデータ活用も増えています。今年当社が提供開始した『郵便番号ターゲティング』のサービス※2は、チラシなどのエリアマーケティングを中心に行う広告会社などからのニーズが非常に高まっています。また、株式会社電通の株式会社インティメート・マージャーへの出資や、株式会社博報堂DYメディアパートナーズと当社が、ヤフー株式会社と株式会社Handy Marketingを設立する※3など、マーケティングのデジタル化の動きが加速しています。
 
※2:DACが高精度居住エリアターゲティング広告の提供開始。
※3:博報堂DYメディアパートナーズ、Yahoo! JAPAN、DAC、マーケティングソリューションの研究・開発を行う 「株式会社Handy Marketing」を設立
 
 
― クロスデバイスでの配信を行うにあたり、「スマートフォン上でのユーザーデータの取得が難しい」といった課題があったかと思いますが、どのように対応してきているのでしょうか。
 
岡部: 例えばFacebookやYahoo!では、ユーザーIDを起点としてデバイスをまたがっても同一ユーザーという認識ができることが強みになっています。当社でも今はブラウザーベースで、「スマートフォンとPCブラウザーのCookieをある程度情報条件を整えて推定でマッチングさせる技術」を用いた取り組みを行っています。そこにIDFAやADIDなどのアプリのIDも含めて推定マッチングをさせており、デバイス間でのフラグメンテーション(断片化)が起こらないような形で進めていきたいと考えております。
 
 
運用型広告の体制づくりが今後の課題に
 
― 日本のディスプレイ広告市場が成長するために、解決すべき現状の課題についてお聞かせください。
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岡部: まず1つが、ディスプレイ広告の市場自体が成長している中で、デジタル広告市場で圧倒的にシェアが高まっている運用型広告をどのように回していくか、体制を作れるか、が大きな課題になっています。今まで予約型広告であったが故にできなかったことが、運用型広告でできるということで、非常に要望が増えてきています。パフォーマンスを高め、お客様からのニーズに対応できるような体制を構築していくためには、人もかかってくることでもありますし、スキルアップも含め時間がかかることですので、大きな課題の1つだと感じています。
 
もう1つはブランディング目的での広告予算の投下が増えるほど、ビューアビリティ※4
という問題にぶつかってくることです。JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)でもビューアビリティの研究、対応に取り組んでおりますが、媒体社、広告会社、メディアレップを含めてどのように向き合っていくかを協議しています。
 
※4:広告の視認可能性。実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション(ビューアブルインプレッション)の比率を指す。
 
 
― アドブロックの話が昨今話題に上がっていますが、日本でも切迫した課題でしょうか?
 
岡部: 欧米ではブロック率が20~30%と言われるのに対し、日本では3%程度という話があります。欧米ほど問題が顕在化してはいませんが、いずれ来るかもしれない懸案事項として欧米の状況をキャッチアップしながら、どのように対策を打っていくかを議論し始めている段階ですね。
 
 
― 2016~17年にかけてのDACのディスプレイ広告ビジネスにおける方向性をお聞かせください。
 
岡部: 冒頭のキーワードと重なりますが、「スマートフォン」、「データ」、「動画」です。スマートフォンではインフィード広告、その中でも特に動画広告を伸ばしていきたいですし、インストリーム広告だけでなくアウトストリーム広告も成長させたいです。あとはデータという観点、当社はデータ領域にかなり力を入れて取り組んでいるので、PMPも含めて掛け合わせるデータをより強固なものにして、他にはない、DACだけが持っているオリジナルなデータを含めた対応体制を強化していきたいです。
 
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本記事はExchangeWire の記事、「キーワードは「スマートフォン」、「データ」、「動画」~2016年ディスプレイ広告市場」を編集したものです。オリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらからどうぞ。
 
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